結婚しているか交際中の
パートーナー間での
虐待・暴力のことです。
内閣府が2021年3月に公表した「男女間における暴力に関する調査」によると、暴力があり、別れたいと思ったが別れなかった人は36.4%。その理由は男女とも「子供をひとり親にしたくなかったから」(女性57.9%、男性53.1%)が最も多く、次いで、女性は「養育しながら生活していく自信がなかったから」(48.2%)。「両親がいるのが理想の家庭」という呪縛、シングルマザーが貧困に陥ってしまう現状などを政策が解決できれば、DV被害者が暴力から逃れやすくなるに違いありません。
暴力を受けていても多くの女性たちはDVかどうか確信が持てず、日常的に暴力に晒されることで「逃げることはできない」という無力感(学習された無力)にも陥ってしまうことも知っておいてほしい点です。
学習された無力:マーティン・セリグマンが提唱した概念。努力を重ねても望む結果が得られない経験が続くと「何をしても無駄だ」と認知するようになり、不快な状態を脱する努力を諦めてしまうことを指す。コントロール不可能な体験によって学習性無力感は大きな影響を受けるとされている。
以下のような暴力が2人の間で起きています。でも、家のドアを閉めた後、
密室で起こることなので外からは分かりません。
身体的暴力とそれ以外の暴力で、被害者に与えるダメージに変わりはなく、
むしろ後者の方が大きいといわれています。
殴る、蹴る、壁にものをぶつける/首を絞める/髪をひっぱる/物をなげる
ひどい言葉で罵倒する/車から突然降ろす/怒鳴る/無視する/説教する
借金をさせる/高いプレゼントを要求する/生活費を渡さない/収入や貯金がいくらあるか教えない
避妊に協力しない/無理やりなセックスをする/妊娠しているのに大切にしない/売春的行為をさせる
人付き合いを制限する/交友関係を監視する/自分の予定に合わせるように強要する/GPSアプリを入れて監視/スマホ履歴チェック/電話、メールの返信が遅いと怒る/携帯の履歴を消す/携帯のメールアドレスや電話番号を消させる/外出させない
社会の多くの人が、DVは「殴る、蹴る」といった身体への暴力だと思っています。
それしか情報がないからです。
行政機関でさえ、DVで相談しても「あざがないから」と被害者を保護せず、
支援を受けられなかったという事例もあります。
こうした状況を変えていかなければなりません。
それ全部DVです
DVの相談窓口には「これってDVですか?」と確認を求めるような電話やチャットがたくさん入ってきます。当事者も「自分の受けていることはDVだ」と気付いていないことが多いのです。パートナー間で起きる精神的、性的暴力は深刻な人権侵害である、と社会も当事者も認識することが求められています。
1位 相談するほどのことではないと思ったから 18.2%
2位 自分にも悪いところがあると思ったから 32.6%
大声でどなる 46.5%
他の異性との会話を許さない 39.2%
日本はDV対策で世界から大きく遅れをとっています。
欧州評議会の「女性に対する暴力及びドメスティック・バイオレンスの防止、根絶に関する条約(イスタンブール条約)」(2014年発効)。同条約では、精神的DVも含めDVを犯罪とするか、少なくとも罰を与えることを国家に求めています。また「暴力の被害を受けたすべての女性と子どもには専門的な支援サービスを受ける権利がある」とされ、「専門的で、即時的、短期的及び長期的な支援サービスを実施し、すべての地域に女性シェルターを設置するなど」の支援対策を求めています。
加盟国には暴力・ハラスメントを「一切許容しない環境の醸成」を促進する責任があるとされました。家庭内暴力が仕事の世界に影響を及ぼすおそれがあることに着目し、事業主等にもDV被害者支援に取り組むことを求めています。
SDGs(持続可能な開発目標)の17のゴールは近年広く社会に知られるところになりました。DVはターゲット5「ジェンダーの平等の達成」に含まれています。国連は、「ジェンダーの平等の達成とすべての女性と女児のエンパワーメントは、すべてのSDGsを達成するために不可欠の手段であると認められている」としています。持続可能な社会の前提は「すべての女性及び女児に対するあらゆる形態の差別と暴力の排除」です。
2001年にDV防止法が成立してから20年経ちましたが、今も日本では結婚している女性の4人に1人がDV被害を受け、コロナ禍でさらにDV被害は顕在化、深刻化しています。2020年、全国の配偶者暴力相談支援センターへのDV相談は約12万件あり、警察への相談は約8万件に上りました。また、交際相手からの暴力は命の危険を感じるほど深刻なものが多いですが、同居していない交際相手からの暴力はDV防止法の対象外です。
DV対策を充実させるため、現在、内閣府の「女性に対する暴力専門調査会」でDV防止法の改正案が議論されています。
現状を踏まえ、私たちが求める法改正のポイントは以下の通りです
さらにDVのない社会の実現に向けては、DV罪を創設するとともに加害者に更生プログラムの受講を義務付け、DV予防教育の実施義務化を実現することが望まれます。
「殴る蹴るだけがDVじゃない
DV防止法を改正して被害者の保護を拡充してください!」
DV防止法改正を求める署名活動を始めました。
ぜひご協力ください。
2020年にDV防止法に基づき、被害者を保護するために裁判所が出した保護命令は、過去最低の1,465件でした。身体的暴力のごくごく限られたケースでしか保護命令が認められていないからです。また、同居していないパートナー間の暴力は法の対象にもなっていません。一方、諸外国ではこのような限定はなく、イギリスでは虐待禁止命令が年間26,332件、緊急保護命令は4,878件出ており、台湾では保護命令は41,685件出されています。DV防止法を改正し、日本でも保護命令の対象を広げることが必要です。また、No More DV PROJECTでは、広くDVの実態を伝えるため、あなたの体験を募集しています。下記募集フォームからお寄せください。
NO MORE DV PROJECT―あなたの体験を教えてください
(注:お寄せいただいた体験は、ご本人の同意なしにメディアなどに公表することはありません。ただ、匿名性を保った上で、政策決定に携わる議員に提出したいと考えております。ご了承ください)
DV相談ナビ #8008(はれれば)
DV相談プラス 0120-279-889(つなぐ・はやく)
全国の相談機関一覧
https://www.gender.go.jp/policy/no_violence/e-vaw/soudankikan/index.htmlモラハラあるある
https://youtu.be/hhn1G-_RyBQNo More DV PROJECTは、様々な団体や個人が広く、緩やかにつながりあって、各々いろいろなやり方で行動し、発信して「日本のDV対策を変えなければいけない」という世論の高まりを、もっともっと大きなものにしていくことを呼びかけるキャンペーンです。
すべての被害者が必要な支援を受けることができ、加害者には責任を正しく負わせ、暴力根絶のためのあらゆる取り組みが進められる社会を目指します。